ゴム磁石(マグネットゴム・ラバーマグネット)とは

ゴム磁石(マグネットゴム、ラバーマグネットとも)は、フェライト磁石粉末を合成ゴムや樹脂といった素材と混合して成形されたもので、柔軟性があり切断や穴あけなどの加工がしやすいという特徴があります。一般的な磁石は硬くて脆く、加工に不向きという欠点がありますが、ゴム磁石は欠けたり割れる心配がありません。
ゴム磁石には磁性材の種類・結晶の形状等により等方性・異方性の2種類に区別することができます。等方性磁石は、名前の通り全ての方向に同じ磁力を発するもので、異方性磁石は一方にだけ磁力を発生させる特性があります。そのため、異方性ゴム磁石の方が強力な吸着力を発揮し、等方性ゴム磁石の数倍の吸着力を持たせることが可能です。
ゴム磁石の用途は幅広く、冷蔵庫のゴムパッキンのような吸着用、マイクロモーター駆動用、電磁波シールド材、ゴム研磨剤、防振材などに利用されます。それぞれの目的に応じて使用する材料やバインダーを変えることで、磁力や厚みを調整することが可能です。

ゴム磁石

当社の提供するゴム磁石について

当社では、長年培われた技術と特別に用意された設備を使用して、エラストマー(各種ゴム・樹脂)と各種粉体(磁石粉末・磁性粉末・研磨剤・高比重粉末・低比重粉末)を混練した複合製品を開発製造しています。
それらの組み合わせの一例として以下のようなものがあります。

組み合わせ例

  • ゴム・樹脂 ハードフェライト粉末 ゴム磁石
  • ゴム・樹脂 希土類磁石粉末 ゴム磁石
  • ゴム・樹脂 ソフトフェライト粉末 ゴム電磁波シールド・吸収材
  • ゴム・樹脂 金属磁性粉末 ゴム電磁波シールド・吸収材
  • ゴム・樹脂 研磨剤粉末 ゴム研磨剤
  • ゴム・樹脂 重量(高比重)粉末及び軽量(低比重)粉末 制振材

ゴム・樹脂の主な材質について

使用されるゴム及び樹脂は天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、ポリアミド、ポリエチレンなどがあります。

主な製造工程

ゴム磁石製造工程

製品ラインナップの特徴及び使用例

1.ゴム磁石

●ハードフェライトのゴム磁石は異方性のフレキシブル磁石で、特にマイクロモーター用に開発されたゴム磁石です。等方性のフェライト焼結磁石に比べて磁気特性が高く、割れ・欠けの心配がありません

●希土類磁石粉末を使用したゴム磁石はフェライト磁石に比較して高特性です

●機械配向で作られた磁石ですので、地場配向の磁石に比べて残留磁気が無く、微細な着磁パターンが可能です

●柔軟性があるため、マイクロモーターのケースへの挿入が容易にできます

●曲げ、切断、打ち抜き、穴あけ、研磨、切削が用意にできます

【用途例】

  • ・マイクロモーター駆動用ゴム磁石
  • ・エンコーダー用ゴム磁石
  • ・吸着用ゴム磁石 など

ゴムの材質につきましては、お客様の使用用途・条件による選定も
承っております。お気軽にご相談下さい。

ゴム磁石
ゴム磁性特性表(PDF)

2.ゴム磁性体(ソフトフェライト粉末・金属磁性粉末)

●柔軟性のあるシート形状です

●0.4mmの厚みでも割れません

●厚みの範囲は0.4mm~5.0mmまで可能です。(この範囲外はご相談ください)

●成形も可能です

●シート形状なので、カットも簡単です

【用途例】

  • ・電磁波シールド材
  • ・電磁波吸収材 など
ゴム磁石
ゴム磁性体特性表(PDF)

3.その他の材質の組み合わせ

●ゴム研磨剤は特殊装置を使用し、ゴムに研磨剤を混練します

●ゴムにタングステン粉末等を混練すると鉛フリーのX線遮断シートやウエイトとして使用いただけます

●重量のある粉末や軽量粉末をゴムや樹脂に混練して、比重をコントロールすることにより様々な制振材として使用できます

ゴムの材質につきましては、お客様の使用用途・条件による選定も
承っております。お気軽にご相談下さい。

【用途例】

  • ・ゴム研磨剤
  • ・X線遮蔽シート
  • ・各種ウエイト
  • ・防振材

ゴム磁石に関するご相談・お問合せ

ゴム磁石のラインナップ以外にもご要望に応じたゴム磁石のカスタム製造が可能です。
弊社のゴム磁石のラインナップについてのお問合せやサンプル請求、ゴム磁石の試作・製作についてお気軽にご相談ください。